- スポンサーサイト
- イタリアンな野菜たち Fico(フィーコ)
-
2018.08.02 Thursdayイタリアンな野菜たち
Fico(フィーコ)・
フルーツではあるものの、デザートとしてではなく食卓に登場したりもする食材、いくつかあります。例えばメロン。生ハムといっしょにして、前菜メニューにするのはつとに有名ですよね。
フィーコ(いちじく)も、生ハムやサラミ、その他のハムと組み合わせて出されます。イチジクの甘さとハムの塩気が、圧巻のハーモニーを演出。なんとも幸せな食光景となります。・
また、デザート前のチーズにも合わせるのがいちじく。チーズが苦手な私には、その味わいの魅力がわからないものの、多くのイタリア人たちは、「文句なしに良く合う」と言っています。
コンポートやジャムにする家庭も多いのがイタリア。ことにジャムは、大量に作って保存されたりしています。パンにつけたり、ドルチェ作り用としても人気。ジャム化したいちじくを好まない私としては、いつも首をかしげがち。イタリアの友人たちからは、「こんなにおいしいのに……」といぶかしがられるほどです。・
南伊では、ドライいちじく作りがさかん。半分にカットしてから、中にクルミやアーモンドをはさんで乾燥させるのです。これは美味! 濃厚、滋味深いドルチェそのものです。
緑と紫のいちじくがありますけど、圧倒的に紫派の私です。毎年、盛夏になると、近所のロベルタさんが大きなバケツ(!)山盛りのいちじくを届けてくれます。彼女の年老いた父親が、大切に育てたいちじくの木々。「もう。食べ飽きちゃって」とロベルタ。2〜3個くちにするだけで充分、などと言っています。・夫と私など、いただいたらたちどころに、何十個もたいらげるのが常。そして、いつも「これだから止められないイタリア暮らし」と思うのです。
亡き父も、いちじくが大好物でした。バケツいっぱいのいちじく話をすると、「いいねー、それは」と目を輝かせていたものです。・タカコ・半沢・メロジー (夫が生存中のことです)
- イタリアンな野菜たち Origano(オリガノ)
-
2018.06.12 Tuesdayイタリアンな野菜たち
Origano(オリガノ)・
トマトとの相性バツグン、ピッツァに欠かせないのがこのハーブです。オレガノと呼ばれてますね。別名はハナハッカ、ワイルドマジョラム(スィートマジョラムが一般に言われるマジョラム)。ドライオレガノとしての活用が多いですね。
ドライものは香りが高いのが常。強度のスパイシーさが特徴ゆえ、使いすぎはタブーです。ピッツァ用のトマトソースにかける時も、少量で充分。指でもむようにして振りかけます。より香ばしくなるからです。・魚や肉の臭い消し役ハーブとしても最適。各種野菜のソティなどに用いても風味が増します。ことに、スライスしたズッキーニをオリーブオイルで炒め、オレガノを少々加えるシンプル仕立てがおすすめ。前菜、つけ合わせの一品としてもってこいです。
パスタ用のトマトソースには、生バジルがベストと信じます。ですが、旬の時でないと香りに欠けるため、ドライのバジルで代用する私。そして、ごくたまには、ドライオレガノにもしています。バジルとはまた異なる味わいがして、時にはいいものですよ。・もちろん、生オレガノでも料理を楽しめます。ことに、トッピングに向いている気がします。料理を皿に盛った後、小枝をそえたり、葉をちぎってかけたり、花が咲く直前のオレガノだと、より高い香りが漂います。
オレガノの香りの成分は、カルバクロール、チール。抗菌作用がとても強いそうです。風邪や頭痛、生理痛などの回復に効果あり。疲労もやわらぐ、と言われています。ピッツァソース用としてのみならず、毎日、少量ずつ使い続けるといいかもしれませんね。・バーベキュー用のハーブ束にも欠かせないのがオレガノの小枝です。ローズマリー、タイム、セージなどといっしょに束ね、オリーブオイルにひたしながら食材につけます。BBQの盛り上がりをより増してくれるハーブ束。ぜひお試しを!・タカコ・半沢・メロジー
- イタリアンな野菜たち Aglio(アーリオ)
-
2018.05.24 Thursdayイタリアンな野菜たち
Aglio(アーリオ)
今や日本でもよく知られているパスタ料理のひとつに、「アーリオ エ ペペロンチーノ」がありますよね。そうです! ニンニクと唐辛子をオリーブオイルで炒め、パスタにからめる簡単、おいしい家庭料理の代表。こったソースで作るより、妙なおいしさを含んだメニューと感じます。原産は中央アジアらしいのですが、イタリア料理に欠かせないのがアーリオ(ニンニク)です。どの家でも、必ず常備されています。我が家もしかり。必ずイタリア産を求めるようにしています。・
なぜって、フランスやスペイン産は臭いが強い。いえ、強すぎるニンニクが多いのです。ことに、南仏のものといったら! とてもくちにすることができないほどの臭いです。
イタリア産は、かなりマイルド。ほとんど臭いがしないニンニクさえあるほどです。せっかくの香辛料的役目も果たしてくれる食材。私は、若干の臭いがするものを選んでいます。アーリオ ロッソ(赤ニンニク)もあり、目にすると必ず購入。ほど良い香りづけとしてフル活用させています。・
ルーツは中央アジアとはいえ、古代ローマ時代から食されていた、という記録も残っているそうな。ニンニクの汁に卵黄とオリーブオイルを混ぜて作ったマヨネーズ風の一品がいい例。野菜や魚肉につけて食べていたのでしょうか。古代人の知恵的なレシピと感じます。
トマトソース作りにも欠かせないのがニンニク。拙著、その他に重ねて書き続けていますが、基本のトマトソース(パスタ用)は、玉ねぎのみじん切りは使わず、つぶしたニンニクとオリーブオイル、バジルのみを入れて作ります。・魚肉用のソースとしておすすめの私流レシピも、やけに簡単。みじん切りしたニンニクをオリーブオイルで炒め、辛口の白ワイン(あるいは日本酒)を少し加えてからトマトピューレを入れます。そこに、好みの魚肉を加えて煮込むだけ。仕上げに、イタパセのみじん切りを振ると、さらに味わい深くなります。・昔から万能薬効果も認められていたニンニク。抗がん作用や血栓の予防のみならず、疲労回復、脂肪分解促進なども期待できる食材です。イタリアのお年寄りたちが元気なのも、ニンニク多食が要因のひとつかもしれませんね。・タカコ・半沢・メロジー
- イタリアンな野菜たち dente di lione(デンテ・ディ・レオーネ)
-
2018.05.20 Sundayイタリアンな野菜たち
dente di lione(デンテ・ディ・レオーネ)・
言いえて妙、と実感のネーミング山草です。直訳すると「ライオンの歯」。タンポポ、です。イタリア特有のファンタジーあふれる命名、と思いませんか?
他にも、ソッフィオーネ、タラッサーコの呼びかたあり。また、ピッシャカーネ(直訳は「犬のピピ(オシッコ)もタンポポのことです。なーんとなくわかりますよね。・日本でも古くから山野草として知られていたようなタンポポ。代表は、七草がゆではないでしょうか。独特の苦みが魅力の味となっています。
フランスでは、タンポポのサラダがとてもポピュラー。ベーコンを小さめにカットして、カリカリに焼いたものを加えたりします。ごくシンプルなドレッシングをかけるのがベスト。茹で卵や好みのチーズもプラスすれば、メインのメニューとしても出せます。
・イタリアはどうか? やはり、サラダ用として登場させることが多いですね。そのメニュー名もまたスーパーユニーク! なんと、「インサラータ マッタ」です。「狂ったサラダ」。これまた、なんとなく、という感じでわかりますが、それにしても、すごい発想。「娼婦のスパゲティ」というメニューもある国ですからね。やはり愉快です。・イタリアでは、他のサラダ菜とミックスして仕上げることが多いようです。単品活用がメインのフランスとはちょっと異なります。また、パスタの上に、少し葉を加えたりもしますね。ルッコラ感覚で使う人たちが少なくないようです。
春から初秋にかけ、我が家の芝生にも、タンポポがチラホラ。新葉はごくやわらかで、いかにもおいしそうです。・でも、摘むことはせず、残しています。なぜなら、リクガメたちの大好物だから。ミネラルやカロチンを豊富に含んだ栄養素は、人間にもカメにも健康に悪いわけがありませんよね。東京などではあまりお目にかからなくなってしまったタンポポ。家庭菜園などで育てるしかないのでしょうか? ハーブ専門店などでは売られているかもしれませんね。・タカコ・半沢・メロジー
- イタリアンな野菜たち 茎ブロッコリー
-
2018.04.07 Saturdayイタリアンな野菜たち
茎ブロッコリー・ブロッコリーのオリジナル産地が南イタリアということ、案外知られていないような気がします。野生のキャベツを改良したものだそうです。
茎ブロッコリーは、改良前に近い形、と言われます。茎が長く、先端の花蕾が小さめなのが特徴です。日本では、「スティックセニョール」として市場にお目見えしています。・グリーンアスパラガスのように満喫できる茎部分が大きな魅力。栄養価がさらに高いため、多食したいスグレもの野菜として評価されています。
茹でた茎に、生ハムやベーコンを巻き、前菜とするのもオシャレ。来客用の一品としても最適です。
・花蕾といっしょに、パスタの具にするのもおすすめ。パスタが茹で上がる数分前に、カットした茎ブロッコリーを入れます。みじん切りしたにんにく、アンチョビも加え、オリーブオイルであえるメニューは、我が家でも定番のひとつ。大人テーストに仕上がります。茎ブロッコリーのフライ、というのもいいですよ。茎の部分も適宜に残し、溶き小麦粉の衣をつけて揚げます。オリーブオイルにすると、さらにおいしくなる一品。塩、あるいは、レモン汁をかけていただきます。・実は、夫がブロッコリーの類を苦手としています。ただ茹でただけでは、絶対に完食しません。生活習慣病の予防に最も効力が期待される野菜だというのに……。かくいう私も、「大好き!」と言えるほどのブロッコリーではないのも事実。
そこで、たっぷりめに食べよう、と決めた時には、ミネストローネにゴソッと入れます。長時間の調理により、ブロッコリーの姿形は、ほぼなくなります。お味はと言えば、他の野菜とミックスされ、実にいい感じ。よく使うキッチンテクニックとなっています。・タカコ・半沢・メロジー
- イタリアンな野菜たち Agretti(アグレッティ)
-
2018.03.24 Saturdayイタリアンな野菜たち
Agretti(アグレッティ)・別名、「修道士のひげ」と呼ばれるオカヒジキに似た野菜です。ユニーク、かつ愉快な命名ですが、いかにも、といった感じ。修道士も納得しているに違いありません。
日本で出回っているオカヒジキより少々太め。新芽だと生食ができます。ミックスサラダ用にするイタリア人も少なくありません。・新芽でないと、生食はちょっとハード。苦みも出てくるため、茹でてから食べるのが普通です。おひたしにして、好みのドレッシングをかけます。オリーブオイルにレモン汁がいちばん合うようです。
濃いグリーンなので、パプリカや人参、その他の野菜と炒めると色どりあざやか。あまり細かくカットせず、ダイナミック使いするのがイタリア式です。・魚介類などとも相性良し。いっしょに炒めて、パスタの具にしてもおいしいですよ。
我が家では、ミネストローネ用としてもいます。その場合は、短めにきざみます。入れすぎると苦みが増しやすいので注意が必要。スープ用には、ハーブ感覚で添えるようにしています。
・ローマ地方で愛食されているこの野菜。北伊では常に見かける食材ではないため、目にすると求めるようにしています。イタリアでは、まだ、このように地方色豊かな野菜が健在。郷土料理を元気なものにしているゆえん、と言えるでしょう。・タカコ・半沢・メロジー
- イタリアンな野菜たち Zucca(ズッカ)
-
2018.03.02 Fridayイタリアンな野菜たち
Zucca(ズッカ)・カボチャ、です。日本カボチャのルーツは中央アメリカ原産、と言われています。16世紀ごろ入ってきたようですね。
イタリアのカボチャには、ふたつの流れがある、とされています。ルネッサンス期以降南アメリカから渡来した丸型のものと、古代ローマ時代にもあった細長いひょうたん型。そのどちらもが、ズッカと呼ばれます。
形のみではなく、色にもバリエーションがあるイタリアのカボチャ。オレンジはもとより、緑、黄色、シマシマカラーなど、実に多彩です。・このコーナーで前回紹介したミネストローネに「必ずカボチャを入れる」というイタリア人も少なくありません。丸みが増し、豊かなテーストになります。
我が家では好まないので作ったことがありませんが、「カボチャのトルテッリ」も有名。カボチャのピューレ入り詰めもののパスタで、マントバ地方の名産メニューです。
パスタのみならず、リゾット用としても使われるカボチャ。これまた、夫と私は苦手なので、我が家のテーブルには登場しませんが、「大好物」というイタリア人もけっこういます。・私が時折作のは、カボチャプリンです。やや手間を要するため頻繁なドルチェとはなりませんが、オーソドックスなプリンと甲乙つけがたいおいしさ、と信じます。
カロテンやビタミン類を豊富に含んだカボチャです。風邪予防、血行促進に効果があるようですので、たっぷりと食べたいものですね。・タカコ・半沢・メロジー
- イタリアンな野菜たち Sedano rapa(セダノ・ラーパ)
-
2018.02.25 Sunday
イタリアンな野菜たち
Sedano rapa(セダノ・ラーパ)
・
寒い季節には、どうしてもスープの登場が多くなります。ことさら作るのがミネストローネ。野菜たっぷりのスープですね。我が家では大鍋いっぱいに調理。時にパスタ、あるいはお米などを入れわけて、何日間か食べ続けます。
なるべく多種の野菜を入れるほどおいしく仕上がるミネストローネと信じています。欠かせないのが、人参、玉ねぎ、セロリ、ポロねぎ、キャベツ、トマト……といったところ。あとは、その時ある野菜をプラスしています。・
セロリのかわりに、セダノ・ラーパにすることもあるのですよ。直訳すると、「かぶセロリ」。セロリの仲間の野菜です。茎の部分はセロリに似ていますが、食べるのは肥大した根の部分。ちょうどかぶを大きくして、ゴツゴツになっている感じです。
お味は、セロリよりまろやか。香りもマイルドで、万人好みと言われています。セロリが苦手な人でも大丈夫! お子さん向けメニューとしても向いています。・
見た目のゴツさよろしく、表皮がかたいのも特筆。厚めに皮をむいて調理します。ミネストローネ用には、1〜2株あれば充分。他の野菜と同じくらいのサイズに切って煮込みます。
セロリのように生食とする家庭も少なくありません。千切りにしてから、レモン汁を加えた水にさらします。水気を除いて皿に盛り、好みのドレッシングでいただきます。・
まだトライしたことがないものの、ゆでてからマッシュするレシピもあります。ヘルシーでオシャレなつけあわせメニューとなりそうですね。
ミネラルとビタミンが豊富な冬野菜。見かけたら、ぜひ調理してみてください。・
タカコ・半沢・メロジー
- イタリアンな野菜たち Puntarella(プンタレッラ)
-
2018.01.10 Wednesdayイタリアンな野菜たち
Puntarella(プンタレッラ)・冬が旬の花菜です。キク科、チコリの仲間とされています。ネーミングの原型は、Punta(先端、とがった端、刃先)でしょう。ギザギザの葉が特徴のインパクトある野菜です。
チコリの仲間とはいえ、シャキシャキ感はこちらのほうがずっと上。加えて、ちょっぴり苦味があり、日本人も好きのテーストだと感じます。・最も多用されるのは、フレッシュサラダ。トレビスや赤チコリ、その他と混ぜて仕上げるといいでしょう。カラフルで華やかなサラダとなります。
ただ、少しアクがあるので御用心。水につけてのアク抜きをしてください。その時、適宜に切ってから行うのがイタリア式。葉が丸まり、目にも楽しいサラダの演出をしてくれます。・このミックスサラダ菜に、オリーブの実や茹で卵、アンチョビ、その他をプラスするのもおすすめです。パスタやリゾット、スープのあとには、このメニューを添えれば充分。栄養のバランスも文句なしです。
加熱調理にも向いています。魚介類や肉、キノコやネギ、その他とオリーブオイル炒めをしてもいいでしょう。ただし、あまり加熱しないことがポイント。生食野菜なので、サッと炒める程度にしてください。・イタリア名は「プンタレッラ」ながら、日本だと英名の「アスパラガスチコリ」とつけられていることもあるかもしれません。ちょっと見は、水菜に似ていて、日本人にも親近感がわきそうな野菜ですよ。・タカコ・半沢・メロジー・
- イタリアンな野菜たち Senza testa(センツァ・テスタ)
-
2017.12.19 Tuesdayイタリアンな野菜たち
Senza testa(センツァ・テスタ)・ユーモアやジョーク好きなイタリア人です。他の国民以上にセンスがある、と実感します。料理にしても、「おー!」と叫びたくなるユニークなネーミングがありますよね。「スパゲッティ アッラ プッタネスカ」がいい例。「娼婦のスパゲティ」ですからね。オシゴト後、朝、あるいは昼前帰りのおねーさんが、ありあわせの食材(トマト、アンチョビ、ケーパー、オリーブの実)で作ったパスタのネーミング。愉快な発想です。・今回の野菜の直訳もドキリ。なんたって「頭無し」ですから。なにゆえ、このようなネーミングとなったのでしょう。私なりに考えてみました。
日本のナバナに似た青菜ですが、チーマ・ディ・ラーパ(ブロッコリーラーブ)の仲間。赤カブから改良されたアブラナ科の野菜です。チーマ・ディ・ラーパがつぼみをつけ、食材として活用されるのと異なり、センツァ・テスタは葉だけが生育。そのため、「つぼみ無し」、イコール「頭無し」となったのではないでしょうか? あくまでも私観。実際のところは不明です。・さて、この食材、どのように調理するのか。味わいに異なりがあるものの、コマツナのように茹でるのがふつうです。適度な辛さが特徴。若干、日本の辛し菜に似ているかもしれません。
おひたしとして魚肉料理にそえるなら、オリーブオイルとビネガー、あるいはレモン汁で調味するといいでしょう。マヨネーズも合うかもしれませんね。また、ミネストラやミネストローネの具としても使えます。ゆがいてからオリーブ油で軽く炒め、パスタの具としてもおいしいですよ。・まずはニンニクをサッと炒めてからにすると、より味わい深くなります。シンプル、かつ、ローカロリーなヘルシーパスタと言えますね。・タカコ・半沢・メロジー