イタリアなう
ケンのさくらんぼ、大豊作
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さくらんぼの季節ですね。正式名は「西洋実桜」とのこと。欧米が原産なのでしょうか? ヨーロッパでは、日本以上の種類を目にします。日本よりお安いのも確か。旬の時期には、大いに満喫することができます。
今年は、なおさら。なぜなら、我が家のさくらんぼの木に、たわわな実をつけたからです。そのみごとさといったら!植えて10年ほどとなりますが、今だかつて、ここまで無数の実がついたことはありません。
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実は、この木、「ケンのさくらんぼ」なのです。ケンが旅立った時、日本の桜の木を植えたかった私。希望していたソメイヨシノ種は、大きめのものしか見つかりませんでした。そこで、かわりに、イタリアのさくらんぼにした、というわけです。小さな小さな木でした。その下でケンは眠っています。
1年、2年……とたち、少しずつ成育。やがて実をつけるようになったものの、数はわずか。摘み取ろう、と思っているうちに、すべて野鳥に食べられてしまうことが大半でした。ケンと仲がよかった野鳥たちなので、それもまたよし、としています。
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ところが、今年の実は無数。しかも、今までになく完璧、かつ、しっかりと実ったさくらんぼなのです。日本の「佐藤錦」と「アメリカンチェリー」を足して2で割ったような感じ。お味、ですか? 前2種の上をいくおいしさ!新鮮な甘さ、果汁もたっぷりで、市販のさくらんぼの比ではないほどです。
例年なら、少し虫食いが生じるのに、今年は皆無。消毒などいっさいしていないだけに、あまりのみごとさに驚愕します。ツヤとハリに満ちたレッドカラーも美しく、「世界一のさくらんぼ」という気さえしてきました。
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きっと、ケンから我々へのプレゼントなのでしょうね。甘酸っぱい想いと共にさくらんぼ三昧をする初夏。野鳥たちのぶんも、ちゃんと残しておくことにしましょう。ケンも大喜びするに違いありません。
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タカコ・半沢・メロジー