イタリアなう
美しいものへの永遠のよろこび
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ハーッ、困りますね、イタリアの男性。なんというイケメンさ。いえ、それよりなにより、比類なき感じの良さにあふれています。
朝、7時前。洗濯ものをベランダで干そうとしていたら、出勤用の車に乗り込もうとしているダヴィデと顔が合いました。満面の笑みの美しさといったら! なんなんだー、これは‼ ハリウッドの俳優なんぞ、とても足元に及ばないほどの眩しい輝き、オーラありでした。
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近所住まいのダヴィデ。10歳頃から知っています。よって、もう35歳くらいになるのですね、彼。父親と同じく、測量士の仕事に就いています。職場は、マルペンサー空港。当地から離れているため、毎朝早く家を出ます。亡き父のことで大半を日本ですごしていたので、1年ぶり以上で顔を合わせた、というわけです。
少年時代の彼は、柔道を習っていました。「マエストロ(先生)から、暴力は絶対にいけない、と言われてるんだよ」が口癖でした。やんちゃな弟ディエーゴと違い、ごくすこやかに成長。いわゆる好青年となり、今や、もう30代! 見た目は20代そのものながら、そんなに年月がたったのですね。妙に感慨深い心情が生じました。
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それにしても、イタリア男性が美しい時ってハンパじゃない。たぶん、世界一、と断言できるでしょう。「美」より「知」、「知」より「食」という奇妙なポリシーを持つ私とて、時折、まいってしまうのです、イタリアーノの美しさに。
だって、イタリアでは、並はずれたイケメンほどシンパティコ(感じがいい)。みごとな笑みが絶えないので、美しさに拍車がかかります。他国にありがちな「ニヒルな美形」はまず存在しません。
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いいんですよ、これが! 早朝から幸せにしてもらった私は、英国の詩人、ジョン・キーツの一文を想い浮かべました。
「美しいものは永遠のよろこびである」
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タカコ・半沢・メロジー