イタリアなう
リクガメが逝くほど暖かかった冬
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1月中旬、我が家でいちばん美しいリクガメが突如、冬眠から起き始めました。例年なら、最も厳寒どき。冬眠の真っ最中だというのに……。25年くらい飼っていて、こんなことは初めてです。
目をさましたばかりのためか、夫が目撃した時は、体を転倒させていた、とのこと。すぐ体位を整えてあげたものの、無理矢理土の中に戻すわけにもいきません。自然の摂理、と考え、そのままにしておくこと数日。
すると、動作が止まり、死んでしまったのです。
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なぜ、リクガメが冬眠から眼をさましたのか? やはり、異例ともいえる暖冬気候のためとしか考えられません。いつもなら、1月、2月はマイナス気温の日が多い当地。ところが、年明けから暖かくなり、日中は6〜8℃くらい。こういう冬、というのも珍しいのです。北伊の気象らしくありません。
逝ってしまったのは、年長のメス。みごとなほど完璧なボディ、そして、最も人なつっこいカメでした。卵もたくさん産んでくれ、何匹の赤ちゃんカメをプレゼントしてくれたことか。なんと無念でなりません。
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腹立たしいほどの寒さとは無縁のこの冬。晴天日も多く、すごしやすかったのは確かです。でも異例の高温による弊害が生じてしまいました。長年、いっしょにすごした大切なカメが犠牲になったわけです。
なんとか助けられなかったのか? 不自然でも、我々の手で土に埋め、冬眠を続行させるべきだったのでしょうか? 親の他界どきと同様、悔やまれることばかりが次から次へと浮かんできます。
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「ペットは死んだ時がな〜あ…」と夫がポツリ。まさに、そのとうりです。思えば、ケンは12月の厳寒どきに旅立っていきました。もう、10年以上前のことです。虹の向こうでは、父と母、ケン、そしてリクガメが仲良くすごしているでしょうか?
マルが合流するのは、数年以上あとにしてほしい、と切願せざるをえない昨今です。
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タカコ・半沢・メロジー