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- イタリアなう 失望の私、イタリアで救われる
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2015.02.28 Saturdayイタリアなう
失望の私、イタリアで救われる
久しぶりに、拙著の一冊、『イタリア式健康生活 ―心と体が幸せになる!―』(郵研社)を読みかえしていました。すると、「あら〜、けっこういいことも書いてるじゃない、私」と自負する文面を発見。例えば、こんなぐあい―。
―要するに、人生、「信ずる」ことがなによりも大切。(中略)つまり、希望を持つ、ということだ。
このところ、失望しがちなできごとが続いただけに、ハッと反省。そうだ! 信じなくちゃ。なによりも希望を絶やさないことが大切ね、と改めて実感したものです。
老母のたび重なる転倒で、この何か月間か、肝を冷やすばかりの日々でした。一昨年12月上旬の災難による恥骨骨折以来、再三の転倒が続いたからです。4年前には、圧迫骨折も発していたため、加齢による骨密度の低さも案じられてなりません。
母から、「私のこと教訓にしてね」と請われました。各種の検査もしてちょうだい、と。そういえば、最後に受けた血液検査は12の春。しかも、ごくシンプルな検査でした。良い機会、と考え、徹底的に総合血液検査をしよう。骨密度の状態も測定してもらおう。
運悪く、財政難による医療費ハネ上がり当日に検査を受けるハメとなりました。公立の医療機関では、65歳以上から無料なものの、それ以前だと、他国より割高の料金でしたが、さらに値上げ。両検査で、約2万円もの支払いとなりました。つい、「こんなことなら、65まで待つべきだった」と悔やんだほどです。
結果は、いかに? 肝要らしい脊柱部の骨密度は良好なものの、大腿骨あたりの密度は、やや下降がち、とのこと。そして、ガーン! ビタミンD不足、との警告値が出たのです。これは、よろしくありません。カルシウムの吸収や、骨への沈着のために必要なビタミンだからです。夫はじめ、周囲の人たちから、「チーズを食べないからだ」と言われてしまいました。昔から、乳製品の大半が苦手な私なのです。
何日かプチパニック。落ちこんでもいたところでした。失望感もありあり。そんな時に、「希望を持つ」の一文。自分の書いた文面に救われることもあるのか、と驚いています。
イタリア人は、いつも言ってますね。「命ある限り、希望を絶やさない」。そして、「心配するな。すべてうまくいくさ」も、イタリアでのお決まりフレーズ。それを信じてすごすことにいたしましょう。
タカコ・半沢・メロジー
希望をたやさない。すべててうまくいくさ
author:タカコさん タカコ・半沢・メロジー 半沢隆子 半沢タカコ, category:イタリアなう 最近のイタリア事情, 21:58
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- マル 苺マルから毒マルにされた日
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2015.02.26 Thursdayスーパーワイルドなマル
苺マルから毒マルにされた日
ウチのおかーさんがアワテモノということ、すでに御存知のかたも多いと思う。ガサツ、ソコツ、アバウトなのは昔からのことらしい。ライターのお仕事をしていた時だって、ひどかったみたいだよ。誤字やウソ字が多くて、編集の人たち、あきれ果てていたようです。
おかーさんに言わせると、「しょうがないのよ。速筆なのはPC以上なんだから」。速きゃいいってもんじゃないのにね。
そのおかーさん、また奇妙な誤字を書いてました。あまりのミスに、苦笑いをとおりこして爆笑してた。お気楽なタイプだな―、とボクはタメ息をつくばかりだったね。
どんな誤りだったか? それがさー、たしかに笑っちゃう書きまちがいでさ。この前発信の「イタリアなう」コーナーで、「苺」を「毒」としちゃった、そうです。スペイン産の苺についての原稿を書いていた時のこと。すぐに気づいて、大笑いのおかーさんは、こんなふうにジコチューなウケをしてました。
「なんかいいわね。こういうミス。スペイン毒、言えてるもん。これって、楽しい誤字。そう思わない?」
いーや。ボク、そんなふうには思いませーん。だいいち、スペインに対し、失礼じゃないかぁ。それって、ジェンダー。おかーさんの「毒づき」そのものだよ。
決して口には出さなかったものの、心のなかで呟いたボクでした。妙なところに鋭いおかーさんたら、みごとに察知。キッとした表情で叫んだ。「アンタ、私に楯突く気?だいたいね、スペインなんか、未だに牛を殺して楽しんでる国なのよっ。毒じゃなくて何なのよ!」。
そ、そ、それって、メチャクチャ論議。どーしてイチゴのテーマが闘牛にまで発展するわけ?反ロジカルじゃん。
「まぁ、ね、言えてる。じゃ、こういうのはどう?アンタ、苺好きでしょ。苺マル改め、毒マルと呼んであげる。めちゃキマリ!」
おかーさんとバトルを続けても意義なし。遠い目のままボクはふと考えた。苺にしても毒にしても、どーして「母」という字がつくのだろうか、と。古代ローマの哲人のごとく、深〜い冥想にふけることにします。
タカコ・半沢・メロジー
どこかもの憂げな横顔でしょ
- 留学記 滞在は、ノリでアレッツォに決めた
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2015.02.23 Monday留学記
滞在は、ノリでアレッツォに決めた
今回は、早速に絵里子さんへのQ&Aから始めましょう。
Q 滞在先選択の決め手となった理由は?
A 最初は、タカコさんのエッセイ本『イタリアのすっごく楽しい旅』に出てきたルッカ(トスカーナ地方の小都市)を希望していたものの、お世話になった旅行会社では、プランになかったのです。そこで、アレッツォ(やはり、トスカーナの小都市)をすすめられました.
Q すぐに決めたのですか?
A そうです。正直なところ、アレッツォって、聞いたことがなかったんですよね。でも、何の知識もないところへ行くのも楽しそう。という感じがして……。ほとんど、「ノリ」で決めてしまいました。
Q 日程は、どんなぐあいでしたか?
A フィレンツェに計2泊、アレッツォに3泊、ミラノに2泊、としました。
Q 時期は?
A 10月の中旬でした。仕事の繁忙期に入る前でしたから。なんとか頼めば、休暇をもらえると思って、10日間の願いを出したのです。それと、気候的にすごしやすそうだったし、旬のおいしそうなものがたくさんあるに違いない、と感じましたね。そのとおりでした。
確かに! 秋のイタリアは、他のシーズン以上のお楽しみがいっぱい、と私も思います。通常、夏は猛暑で、冬は厳寒の地も多い国です。ベストシーズンは、やはり、春か秋。ことに秋は、生ポルチーニ茸やぶどう、その他、イタリアが誇る食材が豊富に出回りますからね。ベスト中のベストと言える季節でしょう。日本と違い、台風と無縁なのも好適。最も快適な気候シーズンゆえ、長短、いずれの滞在にももってこいです。
タカコ・半沢・メロジー
春か秋がベストシーズンです
- イタリアなう 2歳児にして「規則を守る」
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2015.02.21 Saturdayイタリアなう
2歳児にして「規則を守る」
前方宅の初孫アンジェリカは、やっと2歳になったところです。最近、ノンニ(祖父母)の家での2世帯生活となりました。彼女のマンマの実家です。イタリアでは、こんなふうに、娘一家との同居ケースが多数。嫁姑の確執も生じないためか、支障少なくすごしていけるようです。
アンジェリカに弟ができたため、マンマは赤ちゃんの世話もあってあわただしい。そこで、ノンナのアンジェラといっしょにすごすことが増えました。
いつものように、マルと近くの公園へ向うと、すでにふたりの姿。ブランコや滑り台で遊んでいました。マンマ似で、早くもオテンバぶりを発揮のアンジェリカ。「チャオ、マル!」と頭を撫でた後、勢いよく滑り台へ登りました。滑ろうとする時、ノンナのアンジェラが声をかけました。
「ゆっくりね、アンジェリカ。ゆーっくりと滑るのよ、危ないから」
すると、アンジェリカはこう返したのでした。
「Si.Rispettare le regole」
これには、大笑い。思わず、しばし、アンジェラと顔を見合わせたままでした。
だって、こういう意味なんですよ。「うん。規則を守る」。2歳児にして、このセリフ! ハーッ、今どきの子、というわけですねえ。
ちなみに、アンジェリカは、「ヒコーキ、乗らない」とのこと。なぜ? と尋ねると、「キケンだから」。じゃ、列車は? 「それもダメ。だって、どこに着くか、私、知らないもん」。そのうちきっと、こんなふうにも発するのではないでしょうか。「今の世の中、リスクだらけね」と。
それにしても、「規則を守る」のひとことには、ビックリ。きっと、しょっちゅう告げられているからなのでしょう。イタリア家族では、幼児ほどキチンと躾がなされている、再実感したものです。
タカコ・半沢・メロジー
規則は守りましょう
author:タカコさん タカコ・半沢・メロジー 半沢隆子 半沢タカコ, category:イタリアなう 最近のイタリア事情, 23:44
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- マル ズル犬を得た宿命の巻
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2015.02.18 Wednesdayスーパーワイルドなマル
ズル犬を得た宿命の巻
ねえ、マルちゃん。と、おかーさんのゾンビ声。おっ、ヤバッ。また、クレームだな。そう察知したボクでした。今日は、いったい、なんだろう?
―あのね、いくらなんでも、アンタってワガママだと思うのよ。そういうのって、マルチーズの特徴? それとも、アンタの悪魔魂のせい?
そーんなこと言われたって…。なんなのさあ、今日のテーマ? そう尋ねると、機関銃のようなクレーミングが発せられた。こんなぐあい。
・フェルト製の犬小屋、古くなったからとはいえ、ペチャンコにしてソファーがわりにするな。
・エサにライスが入っている時、よく混ぜあわせていない、とペッぺと器の外に投げ捨てるな。
・時にはカガミで姿を確認。本来は純白犬であることを自覚して、泥だらけにならないよう心がけろ。
・大型犬にはかりケンカを売るな。
・自分の話題が登場しないからってスネるのはやめろ。
・オンナをなめるな!(おとーさんに一目置いていることをさしているようです)
まあまあ、出るわ、出るわ、次から次へとエンドレス。でもね、ボクはメゲない。いちおー、「ハイ、ハイ、ハイ。わかりましたよ。気をつけま〜す」と、けなげに返答。心のなかでは、「ケッ!だからなんだってーんだ。ボクちゃんズルさでも知られるマルチーズ。おりこうぶって生きてられるか、ってんだ」と呟いてる。
たぶん、おかーさんもわかっているんだと思う。だからなんだろうね。グチりまくったあと、深〜いタメ息をつき、それは疲れた表情でした。おトシのせい、としておこーっと。
タカコ・半沢・メロジー
ここ、僕の仕事場です
- イタリアなう 紛失しても必ず出てくるイタリア
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2015.02.15 Sundayイタリアなう
紛失しても必ず出てくるイタリア
ハーッ…、またやらかしてしまいました。なにをって、それが、身分証明書の紛失です。これで、2度目。今回は、地元の警察官が我が家にやってきて判明しました。
「証明書、失くしていないか? 隣町の警察に届いているようなので、受け取りに行くように。あなたのサインが必要」とのこと。どこで落としたのか? それさえ気づかなかったおマヌケさでした。
ここで、今までの紛失物の一部をあげてみましょう。
・取材撮影でミラノへ行った帰りの列車にカメラと資料を置き忘れた(2回)
・手袋を片方落とす(数限りなり)
・サングラス忘れ(数回)
・クレジットカード入りの財布が入ったバッグを自転車に置き忘れ(2回)
・すそ上げを頼んで受け取って自転車のうしろのカゴに入れた夫のパンタロンが吹き飛ぶ。
・オーバーの大きなボタンを落とす。
その他、書ききれないほどです。自転車へのバッグ置き忘れは無数。ただ、オジサン、オバさんたちから、「ダメじゃないか!」注意され、すぐに気づくことがほとんどでした。一時は、おこられてばかりの私だったのです。情けない…。
とにもかくにも、前記のすべて、なくならずに出てきたのです。信じられます? これがイタリア、なーんてこと、ありませんよね、ふつうは。
今回の身分証明書引き取りどきにも、警察官に言われました。「運がよかったね」と。悪用されかねないし、常時身につけておくべきものなので、紛失しないにこしたことはない、と諭されました。確かに!
実は、日本でも、貴重品、その他を何回となく失くし、まず出てくるのが常。そのたびに老父から、「ダメじゃないか!」と一喝されます。イタリアでは、夫から。もー、おこられてばかりの私です。「弱点ありのほうが人間的じゃん」と、心のなかで呟いています。
タカコ・半沢・メロジーauthor:タカコさん タカコ・半沢・メロジー 半沢隆子 半沢タカコ, category:スーパーアバウトなイタリアンレシピ, 22:32
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- 私の好きな小さな町 カラヴァッジョ Caravaggio 2
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2015.02.13 Friday
私の好きな小さな町
カラヴァッジョ Caravaggio 2
いかに名高い大聖堂がある町であるかは、前回の文面でおわかりいただけたことでしょう。それだけに、小さな田舎町のわりには、ホテルが何軒か存在。しかも、中規模な3つ星ホテルが多いのです。
ダントツおすすめなのが、大聖堂から徒歩3分くらいのホテル「Belvedere(ベルヴェデーレ)」です。正式には「Villa Belvedere 1849」。1849年に創業のレストラン付きホテルです。Villaとは、お屋敷を意味します。このホテルは、大庭園に建つ旧式館なのです。
その庭の広大さといったら、いつも驚くばかり。ちょっとした公園なみときています。ミラノの中心地から車で30分少々のところに、これほど広い庭を所有のホテルがあるとは。何回訪れても、感嘆してしまいます。
3年前には、プールもでき、グレードアップ。3つ星とは思えないほどのラグジュアリーな宿泊が体験できます。
以前は館だっただけに、各室が異なるのも魅力的、どの部屋も、エレガントなアンティック家具を配しています。近代的なホテルとはまったく異なるものの、こういう田園のプチホテル宿泊もおすすめです。
大庭園の美しさをながめていただくためにも、サイトのアドレスを記しておきましょう。以下です。きっと、サイトで目にするだけでも、北伊ロンバルディア州の、小さな町ながらチャーミングさあふれるホテルの真髄にふれていただけることでしょう。
タカコ・半沢・メロジー
- 私の好きな小さな町 カラヴァッジョ Caravaggio 1
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2015.02.10 Tuesday私の好きな小さな町
カラヴァッジョ Caravaggio 1
例えば、ミラノからタクシーに乗り、我が町Barianoを告げても、「ヴァ ベーネ(よろしい)」とわかってくれる運転手さんは皆無でしょう。ところが、5〜6Km離れたこの町Caravaggioなら、「知らない」とはなりません。そのくらい名高い町なのです。
なぜか? カラヴァッジョ、といえば、中世を代表する画家の名前と同じですね。彼が生まれた地だから? 斬新な画風でつとに有名なカラヴァッジョは、その奔放、かつ無頼的な生涯のごとく、生誕の詳細も明確ではありません。ミラノ生まれ、という説が有効のようです。
画家カラヴァッジョの名は、いわゆる通称。どうも、父親がミラノのカラヴァッジョ侯の館を管理していたことと、幼少時代を両親の出身地であるカラヴァッジョですごしたために、この名で通した、と言われています。
さて、このカラヴァッジョの地が国内外で知られているのは、大聖堂があるからです。正式名称は、Santuario della Madonna di Caravaggio。16世紀に建てられました。
人によっては、ヴァチカンの次に重要な聖堂、とも言われており、年間をとうして、国内はもとより、海外からも巡礼者が訪れます。もちろん、ローマ法王も! そんな時は、無数の人、そして車でいっぱいになるのがこの町です。
クーポラのある大きなメインの聖堂には、見ごたえ充分な美しい芸術作品が残されています。ジャコモ・カヴェドーニの「キリストの降下図」です。信者ならずとも、この作品目当てに訪れる観光客もいるほどなのです。
ちょっとした美術館なみの地下室も興味深い。時には、明るいシスターなどが、展示の作品を説明してくれたりするのもありがたい。旅の良い想い出になるものです。
宗教行事どき、あるいは、週末のミサをのぞいてみるのもいいでしょう。旅人にも、大歓迎で受け入れてくれるのがカラヴァッジョの聖堂です。親しい日本の友人、知人、編集者たち、そして熱心な読者の方々と、多くのミサに参加。皆、「大感動!」ともらしています。こういう体験もいいものではないでしょうか。
タカコ・半沢・メロジー
カラヴァッジョは、多くの巡礼者が訪れます
- レシピ カロリー低めのカルボナーラ
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2015.02.08 Sundayレシピ
カロリー低めのカルボナーラ
今でも、お歳暮にいただいたハムが余る、ということ、あるでしょうか? そうではないにしろ、冬期は、冷蔵庫にハムが保存されていること、多い気がします。
我が家もまたしかり。春から秋にかけてよく求めるプロシュット クールド(生ハム)より、冬はプロシュット コット(加熱ずみハム)の購入が増えます。日持ちがきくため、各種の料理にも活用できて便利です。
年明けのある日、むしょうにパスタが食べたくなりました。クリスマス前から、季節、行事にちなんだ特別メニューばかりくちにしていたためでしょう。そうだ! 残ったハムでカルボナーラもどきを作ろう、とひらめきました。ふつうは、パンチェッタ(脂身の多い豚肉の塩漬け)で作ります。でも、ハムだって悪くなさそう。トライしたところ、ライトなカルボナーラが完成。味にイチャモンつけがちな夫にも大好評でした。
材料(ふたりぶん)
スパゲティ 180g ハム 50g 卵 中1個 パルミジャーノ(すりおろし) 大さじ2 オリーブオイル 大さじ2
塩、コショー適宜
作り方
1 ハムを細長く切り、オリーブオイルでこんがりとなるまでソティする。
2 茹で上ったスパゲティを1に加え、手早く溶き卵、パルミジャーノを入れて混ぜ合わせる。
3 塩、コショーで味を付ける。
4 好みにより、食べる直前に、パルミジャーノのすりおろしを再びかけていただく。
1の段階で、セージの葉を少々加えると、なお本格的。ドライセージでもかまいません。ポイントは、2で火を止め、スピーディに仕上げること。卵は半熟くらいにしないと、クリーミーにならないので御注意ください。
タカコ・半沢・メロジー
余ったハムも美味しく変身
author:タカコさん タカコ・半沢・メロジー 半沢隆子 半沢タカコ, category:スーパーアバウトなイタリアンレシピ, 22:16
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- イタリアなう 紛失物すべて出てくるイタリア
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2015.02.06 Fridayイタリアなう
紛失物すべて出てくるイタリア
今年最初の「ありえない」できごとが生じた1月でした。
クレジットカード、身分証明書、健康保険カード、その他、生活にかかせないカード類すべての入った財布をなくした夫。マルと一緒に新聞を求めに出かけた朝のことでした。
いつもなら、車の中に置いておく財布。その日は、前夜、室内にキープ。マルを抱きつつ、財布を持って車庫へ向かう。ドアを開け、マルを入れようとした時、財布を車の上に置き、そのまま発車したそうです。犬もいっしょゆえ、ごくゆっくりの運転で……。
キオスクで新聞を求めようとした瞬間、財布を車上に置いたままだと気づいた夫。すぐ、同じ道を往復して財布を探したものの、見つからず、まずは、クレジットカード会社への紛失届け連絡、としていた時、玄関のブザーが鳴りました。見知らぬ初老男性が、落ちていた財布を届けてくれたのでした。
我が家の近くではないものの、町内在住の人でした。現金はわずかだったとはいえ、重要なカード類ばかり。納税用カードまで入っていて、再発行には、手間と時間を要するのです。
すぐさま届けてくれた男性に、名前を尋ねても、「どうってことない」「当然のこと」と返すのみ。教えてもらえませんでした。
これがイタリア。時々、信じられないほど誠実、かつ、親切な人が存在するのです。もし、他国だったら? と考えると、どうしても、「ありえない」とならざるをえません。
実は、私なんか、イタリアで何回、忘れものや落としものをしたことでしょう。車内には、カメラ、その他を2回。自転車に、財布入りのバッグを置いたままにしたことなど、数限りなしです。裾つめしてもらった新しいパンタロン2枚を落としたこともあるし、身分証明書など、あちこちに忘れまくっています。でも、すべてが出てくるのです。
そのため、「懲りない私」となっているのかもしれませんね。
いけない。今年から、心を入れ替えて用心しよう。そう肝に銘じ、何年経過していることでしょう。またしても、「今年の念願」として掲げた1月でした。
それにしても、財布を届けてくれた人は誰か? 根性で突き止めたい、と心に誓っています。
タカコ・半沢・メロジー
ありえないほど親切な人がいます
author:タカコさん タカコ・半沢・メロジー 半沢隆子 半沢タカコ, category:イタリアなう 最近のイタリア事情, 23:25
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