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- 私の好きな小さな町 Bagheria バゲリーア
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2015.08.31 Monday私の好きな小さな町
Bagheria バゲリーア
それは、10年ちょっと前のことでした。拙著『イタリアは南が楽しい!』の取材を兼ね、シチリア島の州都パレルモを再訪して、連泊滞在した時のできごとです。
パレルモの下町にある市場探しをしていると、70代なかばと思える長身の紳士から声をかけられました。なかなかのダンディさ。渋めのスーツ、ボルサリーノ風帽子がお似合いの品格あふれるイタリア人でした。
時は日曜日。市場はクローズ、とのこと。明日の下見のため訪れたい、という私に、道案内をしてくれました。そして、「おいやじゃなかったら、コーヒーでもいかがかな」となったのです。
名前は、ベネテッティ氏。郊外にある別荘に果樹園を持っている、とのこと。レモンとオレンジを栽培しているので、明日お渡ししたい、とのお申し出。せっかくなので、その地にお連れしたい、となりました。
そこがバゲリーア。パレルモから15kmの地です。豪奢なヴィッラ(別荘)が数多いアリストクラティコ(貴族的)な町と知ったのは、訪れた後。中世時代、パレルモの貴族たちに愛された美しい田園の町でした。
まずは、ヴィスコンティの映画の舞台となった厳格なるヴィッラに案内してくれた彼。重厚な建築に圧倒されたものです。ちょうど、この町を紹介する写真展も公開されていました。
現在は閑静な住宅地のバゲリーア。でも、いくつものすばらしいヴィッラが現存されています。パレルモ市内とはまったく異にする雰囲気が漂う町です。バス、列車と交通の便も良好。とてもおすすめのところです。
タカコ・半沢・メロジー
- イタリアンレシピ ツナのポルペッタ
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2015.08.29 Saturdayイタアリアンレシピ
ツナのポルペッタ
Polpetta(ポルペッタ)とは、イタリア版ミートボールのことです。複数だと、ボルペッテとなります。
ミラネーゼに言わせると、「ルーツはミラノ」とのこと。牛挽肉とパルミジャーノのすりおろしで小さめに丸め、オリーブオイルで焼き揚げるレシピがオリジナル版みたいです。
今は、どこの地方でも作られる家庭料理のひとつ。ことに、子供や若者層に人気のメニューとなっています。
嫌いではないものの、特に「おいしい!」とは感じない私。日本のメンチカツのほうがずっとイケる、と思っています。ところが、料理本で紹介されていたツナ缶利用のものは、どこか大人味。大いに気に入りました。
材料(ふたりぶん)
ツナ缶のツナ 150g 卵 1個 食パン 25g 小麦粉 大さじ2 オリーブオイル 20ml
イタパセのみじん切り 大さじ1 塩 コショー 適宜
1 食パンを水に浸しふやかす。
2 ツナ缶のオイルを除いた後、ツナをみじん切りにする。
3 食パンの水気を除いてほぐし、ツナ、イタパセ、卵、塩、コショーといっしょに混ぜあわせる。
4 小さなボール状にまとめ、ひとつずつに小麦粉をまぶす。
5 やや弱めの中火でオリーブオイルを熱し、ツナのボールにうっすら焦げめがつくくらいに焼き揚げる。
調理時間は、5〜6分が目安です。全体に焦げめがつくよう、木ベラやハシで動かしながら焼いてください。
もちろん、ツナ缶に限りません。好みの魚缶で作ってみてください。生魚の利用だと、なお美味でヘルシーかもしれませんね。
ストレートにくちにするもよし、レモン汁をかけたり、マスタードを添えてもいいでしょう。
タカコ・半沢・メロジー
author:タカコさん タカコ・半沢・メロジー 半沢隆子 半沢タカコ, category:スーパーアバウトなイタリアンレシピ, 00:02
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- マル ケンおにーちゃんがイタリアへ帰って来た
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2015.08.25 Tuesdayスーパーワイルドなマル
ケンおにーちゃんがイタリアへ帰って来た
わーん! ケンおにーちゃ〜ん!!! ボク、めっちゃ会いたかったんだよ〜。8月なかば、おかーさんが日本から戻ってきた。イタリアを発った時はひとりだったのに、もう、ビックリ! ケンおにーちゃんといっしょに帰宅したんだよ。
「これが、あなたのおにーさんよ」と言われて御対面。写真では見たことがあるけど、(家中、あちこちに飾ってある)、直接目にしたのは初めて。おー! 凛々しい!! さすがジャーマンシェパードだあ。おかーさんいわく、「サーカス犬止まり」のボクとは全く違う。それでいて、どこかカワイイ。なんてカッコいいケンおにーちゃんなんだろう。久々に再会のおとーさんは、ウルウルしてる。
このケンおにーちゃんは、おかーさんのオトモダチE子さんからのプレゼント。手芸家のひとにお願いして作ってもらったのだそうです。ケンおにーちゃんの写真をみせての手作りなんだって。おかーさんに負けず劣らず犬好きなE子さんならではの心こもった贈りもの、というわけ。
おにーちゃんが逝って、もう8年たった。ついこの前は、おばーちゃんまで旅立ってしまい、おかーさんは立ちなおれないままでいる。励ましをこめてのプレゼントに違いない気がする。E子さん、本当にありがとう!
おかーさんの感動、喜びは、とても表現しきれないほど。すぐに、自分の机の横の本棚の上に飾りました。いつだってケンお兄ちゃんが目に入るように、と。
ボクだって、おかーさんに負けないくらいうれしい。なんたって、ホントーのファミリーなんだから。よーし! 今日から、ケンおにーちゃんに見習って、いいコになるぞ。そう心に誓ったのに、おかーさんに言われちゃった。
「アンタはね、そのままでいいのよ。犬も個性がいちばん。サーカス犬止まりの笑えるワンコで充分よ」
うーん、素直に受け入れていいんだろうか……。ケンおにーちゃんに相談してみます。
タカコ・半沢・メロジー
ケンおにーちゃんに会えて、嬉しくて嬉しくて
- イタリアなう 突然、奇跡が生じた北イタリア
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2015.08.22 Saturdayイタリアなう
突然、奇跡が生じた北イタリア
信じられないことが生じるのは世の常。ですが、ここまでの気象異変に遭遇するとは……。ありえない……と絶句せざるをえません。
7月下旬より、3週間ほど日本ですごしていた私。イタリアへ戻ったのは、8月13日でした。ミラノ、マルペンサー空港着は、18:00少し前。予定到着時刻より、30分以上もスピーディなアリタリア航空のみごとなフライトでした。
ところが、34℃の高温。7月、8月の東京では猛暑続きの地獄な盛夏にまいり果てていただけに、ガックリ。またしても高温に悩まされるのかと案じました。
でも、奇跡、発生! 翌日より、気象の大変化!! イッキに涼しさが訪れたのです。14日はさらに気温ダウン。秋そのものの爽やかな風に恵まれ始めました。トドメが16日。半袖のTシャツではあまりにも肌寒く、なんと、長袖に着がえざるをえないほどでした。それもそのはずです。室内の温度計、23℃! なんなんだー、この大差は! と驚愕しました。
きっと、日本の猛暑で日々苦しんでいた私への「ごほうび」に違いない。なにしろ、連日、老父のサポートに徹していましたからね。いかに暑さが大の苦手な私とて、すっかり老化し果てた父の前では、弱音も吐いていられません。けっこう無理に元気ぶりっこしてすごしていました。そんなけなげ(?)さに、天からの贈りものとしての涼風到来なんだ。と、勝手に決めつけたものです。
それにしても、低温すぎる。ここまでの気温ダウンというのは、決して好ましいことではないのかもしれませんね。そういえば、我が家周辺の人たちが、あちこちでクシャミを発しています。10℃以上の低下ゆえ、当然かもしれませんね。
日本はまだまだ30℃以上の高温が続く地がある、と聞いています。徐々に秋めいてくるといいですね。過酷きわまりなかった今年の盛夏。過ぎてしまえば懐かしい、となることでしょう。あと少しの辛抱、ですね!
タカコ・半沢・メロジー
author:タカコさん タカコ・半沢・メロジー 半沢隆子 半沢タカコ, category:イタリアなう 最近のイタリア事情, 22:44
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- マル リニューアルしたボクの愛称
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2015.08.18 Tuesdayスーパーワイルドなマル
リニューアルしたボクの愛称
ヤーさん犬だ、いや、マフィア犬、とおかーさんに言われ続けているボク。ときには、悪魔犬、とさえののしられてます。でも、そんなことにヘコんだりしないのがボクのいいところ。で、鈍感犬、とも言われるってわけ。
おとーさんは、あまり、ボクの正しい名前を呼ばない。たいてい、「プシプシ」と呼びます。意味は特になし。なんとなくプシプシ。どこかしまりのない響きが、ボクにぴったり、とおかーさんは言ってる(ほっといてちょーだい、のボクです)。
そんなボクも、今や、7才となってしまった。人間だとオヤジ世代らしい。おかーさんは、こんなふうに言ってます。
――ねえ、マルちゃん。アンタ、このごろ、おっさんしてる。ちょっとしたしぐさ、オヤジっぽいわよ。やっぱり、トシには勝てないってことよね。
おかーさんに指摘されたくないぜ、です。そんなボクに、Sさんは、愛情こめて呼んでくれています。それは、「マルさん]。「さん」づけが新鮮でしょ? ものすご〜く気にっいってま〜す。
Sさんはね。おかーさんの短歌のセンセー。ものすご―い才女のおばちゃまなんだよ。対極をいくおかーさんとは、センスだって大違い。だから、カッコよく「マルさん」となるんだろうね。
「でも、キレイすぎる。アンタにはふさわしくない」とおかーさんが主張。結果、こんなネーミングを考えついてしまった。それは、「おやじマル」。「オヤジ丸」と書いてもいいそうです。
「わーん。いいわ、いいわっ。中年世代ワンコのアンタにピッタリ!」と、ひとりでエツに入ってるおかーさん。
だったら、おかーさんは、「おばタカ]? いや、「ばばタカ」のほうがしっくりくるね。と、Vサイン出したら、最悪。「シャンプーの回数、2倍にしよーっと」と言われました〜。正直犬はソンをする、の巻でした。
タカコ・半沢・メロジー
だれだい、この可愛い僕をオヤジ丸なんていうのは
- イタリアなう やはりポジティブ思考のイタリア人
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2015.08.14 Fridayイタリアなう
やはりポジティブ思考のイタリア人
久々にバッフィ氏と出会い、しばしの会話を交わしました。初夏の日のことです。
彼は、50代後半の銀行員。日本だと、信用金庫、といった感じの金融関係スタッフです。親日家のバッフィ氏は、来日体験が皆無なのにもかかわらず、古典文化に造詣が深く、私が知らないことまで熟知しています。彼がすごすぎる、と感じるものの、反面、我が無知さにも反省せざるをえません。
とても紳士的なバッフィ氏と、こんな会話になりました。
バ いやー、奥さん、久しぶりですね。お元気ですか?
私 ええ、まあ……。私自身は変わりないんだけど、母が急死して……。
バ エッ!? そうでしたか! 実は、私の母もなんですよ。突然の他界でした。
驚いたことに、同時期(今年の4月)の急逝だった、とのこと。年齢もほぼ同じで、まったくもって前兆なしの旅立ちだった、と知りました。
私 そういうこと、あるんですねえ。私なんか、まだ、母との別れを素直に受け止められないままで……。
B わかりますよ、といっても。でもね、奥さん。私は、突然のことでよかった、ととらえるようにしているんですよ。高齢者が長 いこと寝込んだり、苦しみ続けるほど過酷なことはない、と思ってます。肉親や親しい友人たちの死は辛いものだけど、老いた親が急逝するのは、むしろよし、としています。
確かに、彼の言うとうりなのでしょうね。それでも……と、つい後退的な心情となる私。あと何か月かしたら、バッフィ氏のようなポジティブさが生じるといいな、と思っています。
タカコ・半沢・メロジー
ポジティブに考えましょう
author:タカコさん タカコ・半沢・メロジー 半沢隆子 半沢タカコ, category:イタリアなう 最近のイタリア事情, 22:55
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- イタリアなう 「ゆるキャラ」に日欧差を感じた夫
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2015.08.11 Tuesdayイタリアなう
「ゆるキャラ」に日欧差を感じた夫
5月下旬から6月なかばにかけての3週間、夫と共に滞在の日本でした。十日の室内リフォームがあったため、ほとんど外出もしませんでした。イタリアと同じく、早寝早起きに徹した日々。今回に限っては、けっこうテレビをみることも多かったですね。ことに、夫はなおさら。さしてすることもないため、日中も目にしていたことだって少なくありませんでした。
その夫が、最も驚いたことはなにか? 各チャンネルの多くの番組、CMに、「ゆるキャラ」がやたら登場することでした。
「いったい、どうしたわけだろう。NHKにも出てくる。子供の番組、子供向けのCMならわかるけど……」。そんな夫のセリフ、何回続いたことでしょう。
言われてみると、たしかに、と感じますね。ぬいぐるみをまとったゆるキャラ、頻繁に出てきます。いつごろからの現象なのでしょうか?ここ何年かのことに違いない、と思います。
イタリアでは、伊仏英国のテレビ番組を目にすることが多い我々。こちらだと、ゆるキャラの登場は、子供向け番組やCMのみですね。それとて、頻繁、というわけではありません。日欧のこの差、異なりは、どのような要因によるものなのでしょうか? やはり、「かわいい」文化の日本に対し、ヨーロッパは美や成熟度が優先の文化、としか思えません。
世界各国、違いが生じて当然。どちらがいい、悪い、ということでもないのでしょう。
「それにしても……」と夫。日本では、テレビのキャスター女性たちも少女みたいなファッションをしているのはミステリアス、との感想をもらしました。ひたすらミニマム、シンプルきわまりない服ばかり身につけている私に、「同じ日本人なのに……」と首をかしげていたほどです。
しばし異文化に接したのって、好ましいかもしれません。
タカコ・半沢・メロジー
めざせ、ゆるキャラ。なに? デブキャラだと?
author:タカコさん タカコ・半沢・メロジー 半沢隆子 半沢タカコ, category:イタリアなう 最近のイタリア事情, 22:46
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- 留学記 授業後は、仲間と楽しいランチで交流
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2015.08.07 Friday留学記 60
授業後は、仲間と楽しいランチで交流
さて、ここらへんで、授業後のすごしかたを公開してもらうことにしましょう。
――午後1時に終わりましたからね。ランチは、いつも授業後でした。最初の3日は、すぐに帰宅して自炊していたのです。でも、帰宅するまでお腹がもたなくて……。だんだん、外でひとりランチするようになりました。安くておいしく、ひとりでも快適に満喫できるお店、けっこう見つけましたよ。
ランチ後は、学校のテキストなどが重いために、いったん帰宅。その後、買い出しや教会、美術館見学を楽しんだそうです。ひたすらブラブラと散歩して、疲れたらバールへ入って休み、ボーッとしていたことも多かった、とか。それ、それ! そういうのがいいんですよね。旅で訪れると、なかなかできないことと感じます。
最初の週は、日本人が京子さんのみだった語学学校。2週目からは、他のクラスに日本人が入校しだして、たちどころに親しくなった彼女。イタリアをこよなく愛す女性たちばかりなので、楽しい交流が始まったそうです。
そんな新しい仲間、加えて、フィレンツェで知りあった日本女性たちともランチをごいっしょすることになった由。ちょっとしたフルコースなみのボリュームあるメニューの数々、プラス、ワイン付きで10ユーロ前後、などという、おいしくてエコノミーなお店の情報も得たのでした。
「あるんですよね、そういうトラットリアやレストラン。ワインまで付いて10ユーロ前後とはお得。お味、なかなかでしたよ」。
そんなランチなので、満腹となることこのうえなし。夜は軽く……というパターンになって当然です。ひとりアペリティーボ(食前酒)や自炊でちょこっと作ったりしてすませたそうです。
夜? 予習や復習、宿題に励むこと3〜4時間。「超真面目で律儀な学生生活でした」。脱帽します!
タカコ・半沢・メロジー
授業後は、ランチや美術館散歩を楽しむのがいいね
- マル 日伊ワンコの忠誠心を考える
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2015.08.04 Tuesdayスーパーワイルドなマル
日伊ワンコの忠誠心を考える
「わさお君、いいわっ。まさに、武士道精神を持った日本犬よね。健気だけど、逞しい。人も犬も、こうでなくっちゃ! それなのに、あんたときたら……」
ウック、なんですかあ、それ? だいたい、「わさお君」って、なにもの? ボク、まったく、わかりませーん!
おかーさんによると、このところ月一で続いている日本滞在中、いっと―好きなTV番組に登場する大型の日本犬、それが「わさお君」なんだって。ブサカワのワンちゃんらしい。「それ、どーゆー意味?」と聞いたら、おかーさんはこう答えた。「よくわからないけど、日本じゃ、ブサイけどカワイイ、ということみたいよ。イタリアじゃ、ちょっとない表現よね。マ、アンタみたいな犬のことを言うんでしょ」
ちなみに、ここイタリアでは、犬や赤ちゃんにも、「カワイイ」とは告げません。いつも、「キレイ」「美しい」となるんだよ。
さて、ブサカワのわさお君。なんか、忠誠心にあふれたワンコなんだってさ。ひろって助けてくれた飼い主が病気で入院した時は、食欲がガタ落ちして食べられなくなったほど。そのシーンを目にしたおかーさんは、ボクとの大差にショックを受けたそうです。だって、ボク、どんなことがあっても食欲がなくなることはないからね。元気と体力が唯一の取り柄なので、常に健康管理を優先してる、
というわけ。おかーさんによると、「そうじゃないでしょ。デリカシーがないだけ」らしいけどね。
ともかく、ボクもわさお君が登場する番組をみてみたーい。ボクね、動物の出てくるプログラムやCM、大好きなんだよ。特に、犬や猫だと、テレビの画面にかじりっつき。チュッしちゃうことだってあるんだよ。それを目にして喜こんでるおとーさん、おかーさんのためにも続行してる。ね、ボクだって、忠誠心、あるでしょ?
タカコ・半沢・メロジー
何してるかって? ストレッチですよ
- マル とうとうオオカミとなった日
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2015.08.01 Saturdayスーパーワイルドなマル
とうとうオオカミとなった日
ウチのおかーさん、どこかボクをナメてるところがある。そして、「マルチーズは室内犬」と決めつけているのも気に入らないボクです。言っとくけど、ボクのルーツは、昔、昔、ネズミ退治犬として活動しまくってたんだよ。貴婦人とかのオバちゃんたちに抱かれてすごすようになったのは、中世以降。ボディがあったかいので、冷え性などのレディたちのプチ暖房役になっていたらしい。
とにかく、ボクには、ネズミ退治犬としてのDNAがいっぱい! 厳寒どきだって、家より庭ですごしたいのです。ネズミは見かけないので、通りを行きかう人たちをウォッチング&チェックしまくってる。見知らぬ人には、ガンガンと吠えるボク。番犬としても役にたっているのでーす。
それなのに、おかーさんはクレームをつけっぱなし。庭でばかりすごさないよう命じられてしまった。すべてのドアを閉められ、出ていけない。おかーさんに「開けて〜〜」とねだろうにも、上の階へ行ってしまった。
そこで、奥の手。窓に向かい、ウォオオ〜〜と吠えてやった。そう、オオカミの遠吠え。ウォ〜、ウォ〜、ウォオオ〜〜〜と続けていたら、イヒヒヒ、おかーさん、マッサオになって飛んできた。そして、「ありえない……」と呟きつつ、玄関のドアをオープンしてくれたのでした。
大成功! オオカミになって本当によかった、と満足しています。それなのに、おかーさんたら、ごきげんななめなまま。「信じられない。マルチーズの遠吠えなんて聞いたことがない。ハードな防御策をたてなくっちゃ」と嘆き続けています。
ややあって、こんなふうにも言ってました。「このシュールさ、売りモノになるかも、ね。マルチーズのオオカミ版として、サーカスで稼がせようかしら」。どこかのサーカスで、ウォオオ〜〜と吠えている小さな白犬がいたら、それはボクでーす!
タカコ・半沢・メロジー
ウォオオ〜〜 オオカミだぞ!