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- 私の好きなイタリアの小さな町 Spoleto(スポレート)
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2016.06.29 Wednesday
私の好きなイタリアの小さな町
Spoleto(スポレート)イタリアのハート、と呼ばれる緑豊かなウンブリア州の文化的な町です。ごくザクッと地理的に示すなら、ペルージャとローマの中間あたりと思われていいでしょう。
「行ったことはないけど、スポレートという名前は知ってる」。音楽好きの日本人がそう言っていました。6月、7月に開催されるフェスティバルがけっこうメジャーとなってきたからです。
1958年から始まったもので、各種の音楽、劇、バレエ、映画、絵画展などが繰り広げられます。現在では、海外からも注目されるイベントとなっています。それ以外の季節でも、音楽会や展示会が常時プログラム化されているのがスポレート。小規模ながら優雅な美しさをたたえるカイオ メリッソ座や、聖ニコロ教会などでの公演は、ことに評判を呼んでいます。
見どころの筆頭は、ドゥオーモでしょう。12世紀からの歴史を誇る建築物です。ミラノのドゥオーモのような大きさや華やかさはないものの、オリジナルのモザイク床が独特。またファサードの一部にも、ビザンチン様式のモザイクが掲げられており、これまた12世紀のものです。町の中心地、メルカート広場では、毎月の第2日曜日に、アンティーク市が開かれます。これまた大規模なものとはほど遠いものの、コレクターにはたまらない吟味されたアンティークがお目見えします。絵画、職人作りの小家具がことに人気。毎回チェックする町内外の人たちが少なくないそうです。
スポレートで私がこよなく愛しているのは、移動車のポルケッタ屋さん。仔豚を丸ごと焼いたものを、注文に応じてカットしてくれます。その安価さと絶妙なおいしさといったら! ずいぶんと各所でポルケッタを食べまくっているものの、この屋台店の極上さは、文句なしにベスト。そのためにだけでもこの町へいきたくなるほどです。
タカコ・半沢・メロジー
- マル ボクなんか、とーっくに「アモーレ」
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2016.06.25 Saturday
スーパーワイルドなマル
ボクなんか、とーっくに「アモーレ」おかーさんによると、日本でもこのところ、「アモーレ」がとびかっているらしい。あの長友オジちゃん(いや、失礼!選手、です)が、恋人のことを呼んだのが始まりなんだってね。長友選手、イタリアで活躍中。「アモーレ」が日常化してることを、よーく知ってる、というわけだろう。
ボクなんかさ、赤ちゃん犬の時から、アモーレの連発を浴び続けていたよ。いっとー最初にトリミングしてくれた在伊の日本人がすごかった。まだ小さかったボクを何時間もかけて刈ってくれる間中、「アモーレ」を言いっ放し。アモーレ、つまり、直訳は、「愛」「愛しい人」という伊語だけど、トリミング中なんかは、「いいコ」みたいなモードなんだろうね。
おかーさん? ダメ、このヒト。なんたって、アモーレ・アレルギー。てーゆーか、アモーレに対してトラウマみたいなのがあるみたいです。当人によると……。
「だって、イタリアじゃ、どんなカップルでも”アモーレ””アモーレ”。暮らし始めた当初、あるオヤジが巨漢妻に”アモーレ”とつぶやいてぶっ飛んじゃったのよお」だそうです。
まあね。イタリアだと、「おまえ」とか、「あなた」ぐらいの意味あいもある言葉なんだよね。おかーさんなんか、日本人ひとりだけ、という小さな町に住んでるから、見知らぬ人にまでアモーレ呼ばわれしている。いちおー愛玩犬のカテゴリーに入るらしいマルチーズのボクはなおさら。赤ちゃん期をすぎたって、アモーレ洪水を受けてる、というわけです。今や、日本では、「私もアモーレと呼ばれたい」現象が発生している、とのこと。イタリア語が広まるのは、悪いことじゃないよね。おかーさんにも、早くトラウマから抜け出してもらいたい、と願っています。
さいごに、ちょっと宣伝。実は、おかーさん、アモーレ本、出しています。ずいぶんと前だけど、『アモーレの国 イタリア』(学習研究社)という単行本です。同じタイトルで、中公新社から文庫化もしています。よかったら、読んでやってください。タカコ・半沢・メロジー
- イタリアなう 大切なものは失くならない、のイタリア
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2016.06.21 Tuesday
イタリアなう
大切なものは失くならない、のイタリア
なんの自慢にもならないのですが、「人生、失くしものだらけ」の私です。子供の頃から、よくもまあ、というくらい落としたり紛失したり。幸か不幸か、ほとんど手もとに戻りました。それで、「懲りない私」となってしまった気もします。
イタリアでも然り、です。クレジットカードの入った財布入りハンドバッグや身分証明書、何度失くしたことでしょう。ほとんどが置き忘れ。が、すべて届け人がいて、無事、手もとに戻った、というわけです。警察から連絡が入り、「届いてますよ」と言われた事すらありました。恥ですね、大恥!
つい先日は、まず手袋。亡き母からもらったお気に入りの皮革品で、一部に蛇革つきのオリジナル度高いものです。日本でも、スーパーなどに何回も片方を落とし忘れ。でも、必ず、保管してもらえました。
ところが初春のある日、またしても片方失くしたことに気づいた私。どこで失くしたか予想もつかず、「もはや、これまで」と諦めていました。
すると、ミラノ出国前の空港内の行きつけショップに立ち寄ると、「これ、あなたのじゃない?」。店長の女性が、片方の手袋を渡してくれたのでした。ヨタってきたとはいえ、母の形見的なものと実感した次第です。そして、トドメが……。日本から戻り、ミラノのマルペンサー空港税関チェック。新人税関員の感じ悪い態度にキレかかったままスーツケースが出てくるのを待っていた時のことです。「半沢さん」という明るい女性の声が耳に入りました。なんと、私のパスポートを手にしたステキな日本女性の姿! 「半沢さん、ですよね。これ、大切なものですよねえ」と、美しい笑みと共に渡してくれたのでした。どうやら、立腹どきの税関で落とした由。横柄な言葉で滞在許可証の提示を求められた後、パスポートのほうだけバッグに入れ忘れたのでした。
いかにスーパードジ人間の私とて、パスポート紛失は始めて! すぐさま拾ってくれたMさんに、心より深く感謝しています。10年前、イタリア人と結婚された、という彼女。後日わかったことながら、拙著を何冊か読んでいてくださったのです。なんという良き御縁! イタリアって、大切なものを失くさないのみならず、すばらしい出会い、御縁をも作ってくれる国、と実感します。
タカコ・半沢・メロジー
author:タカコさん タカコ・半沢・メロジー 半沢隆子 半沢タカコ, category:イタリアなう 最近のイタリア事情, 00:04
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- 私の好きなイタリアの小さな町 Settignano(セッティニャーノ)
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2016.06.16 Thursday私の好きなイタリアの小さな町
Settignano(セッティニャーノ)
フィレンツェの東、6〜7kmのところにある丘の上の村です。この周辺は、フィエーゾレと同じく、太古のエトルリア時代からの歴史あるれる地帯。フィエーゾレほどの知名度はないセッティニャーノながら、坂道のわきには、セレブ族の家や別荘が建っています。
フランス暮らしからイタリアへ移った当座、ほんの少期間、この村のヴィラの一部を借りていました。トスカーナ特有のオリーブ林に囲まれ、パノラミックなことこのうえなし。庭つきの家屋だったため、バラ、その他の花々が美しく咲き誇っていたものです。
ところが、今考えると、季節が悪かった。ちょうど初夏だったのですが、すぐ近くの小さな広場が、夕刻から社交場化。夕食どきあたりから音楽が流れ始め、ダンスが始まったのです。夜も更ければ終わるだろう、と思ったのが甘かった。いえ、イタリアの村という実態を知らなさすぎた我々でした。なんと、深夜の3時ごろまで音楽とダンスが続く日々。しかも踊っているのは、中高年層のおじさん、おばさんがメイン、というシュールさ。かなりのカルチャーショックを受けたものです。
さすがに今は、明け方近くまでの「騒音」は御法度でしょう。でも、小さな村や町では、夏ごとに夜間のダンスは恒例です。シルバー世代のシーズナブルなお楽しみとなっています。これぞ、ザ・イタリア、ですね。
当時は睡眠不足に悩まされたものの、今となっては、忘れられない良い想い出。この村での滞在体験を懐かしんでいます。
フィレンツェへのリピータ派は訪れることが多いフィエーゾレも近く。眺望のすばらしさは、セッティニャーノ以上かもしれません。ローマ劇場や共同浴場、考古学博物館、サン・フランチェスコ教会、その他、見どころがいっぱいです。
どちらへ行くにも、フィレンツェの駅前からバスが運行されています。セッティニャーノは所要時間20分弱、フィエーゾレは25分くらいで着きます。
タカコ・半沢・メロジー
- 私の好きなイタリアの小さな町 Caprese(カプレーゼ)
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2016.06.11 Saturday私の好きなイタリアの小さな町
Caprese(カプレーゼ)
ダ・ヴィンチほどの万能さではなかったものの、ルネッサンスを代表するもうひとりの天才、ミケランジェロの生まれた村です。現在では、カプレーゼ ミケランジェロ村というのが公式名称となっています。
アレッツォ近郊にあるこの村へは、いくつかの山を越えてバスで行きました。かなり険しい山道も少なくないのに、自転車のトレーニング中らしき若者たちがペダルをこいでいたものです。
やがて到着のカプレーゼ村。ちょうど、生家が昼の閉館中だったため、すぐ近くのトラットリアへ入りました。まったくもって期待はしていなかったのに、安くておいしいトスカーナ料理の数々を大満喫! 野菜たっぷりのミネストローネには、しっかりと豆が入っていたし、厚めに切られた素朴なサラミの味わい深かったことといったら! これだからトスカーナの地方めぐりはいい、と再実感したものです。
キャンティの赤ワインといっしょに、たらふく食べまくっていたら、生家訪問がおっくうになってきたほど。それは、まずい! 満腹で重くなった体にムチ打ちつつ、少々歩いて見学しました。
ダ・ヴィンチの生家と異なり、けっこう重厚で大きな家でした。作品の展示もあり、ミケランジェロファンには至福の一見となることでしょう。私はむしろ、野生美もうかがえる庭のほうに魅せられたものでした。
ちなみに、ミケランジェロがこの家にいたのはごくわずか。生後すぐ、フィレンツェ近郊のセッティニャーノ村の石工の家に里子に出されたそうです。実は私、この村に2か月ほど滞在したことがあります。まさか、まさか、ミケランジェロが幼少期をすごしていたとは知りませんでした。
セッティニャーノがどのような村なのかは、次回で紹介いたしましょう。
タカコ・半沢・メロジー
- マル マルチーズのアイデンティティーが消えていく
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2016.06.07 Tuesdayスーパーワイルドなマル
マルチーズのアイデンティティーが消えていく
トーキョーのおじーちゃんのサポートがあり、しょっちゅう日本へ行ってるおかーさん。つまんないなー、いつも、おとーさんとお留守番ばかり。ボクも、一度、トーキョーですごしたいなあ。
そんなふうに呟いていたら、おかーさんから厳しい反応が返ってきました。こんなぐあい。
「よく言うわよ。マルチーズって、日本じゃふつう、3kgぐらいなのよ。それを信じてアンタを迎えたのに、アッという間に3kgをこえちゃった。6kgでしょ、6kg! おまけに野生犬そのもの!これじゃ、簡単に日本へ連れて行けるわけないじゃないの!!」
日本では柴犬ばかり、ボクの前にはジャーマンシェパードと暮らしていたおかーさん。一度は、おとなしくて、バッグに入れて持ち運びできる小型の室内犬を飼いたかったんだって。でも、チワワやトイプードルとかはもうひとつピンとこないまま。ジャック・ラッセルに決めかけたところ、ブリーダーさんから「待った」が入ったそうです。
「やめておきなさい。ヤンチャな犬種なので、海外への同行も容易とは言えない。わりと飼いやすいマルチーズをすすめますよ」と。
よくよく調べると、確かに、環境になじみやすく、けっこう丈夫な犬種のマルチーズ、と判明。平均3kg、と体重も、機内持ち込み犬として最適、と確認したようです。
でも、ザンネンデシタ〜。イタリアがオリジナルのマルチーズは、3kg前後の小型サイズのみとは限らない。ボクのように6kgボディだって珍しくないのです。10kgくらいのおデブなマルチーズもいるほどだよ。
ともかく、当初の想いを、ことごとくくつがえされた、とクレーミングするおかーさん。「せめて、もう少しドメスティックでいてくれたら助かるんだけど」とタメ息をもらすのです。
そして、「トーキョーは、イタリアほど自然がない。なにかと規則も厳しいから、アンタにとって幸せなところとは思えない」と主張。ワイルド犬の宿命として、イタリアでお留守番に徹してほしい、と告げられました。かくして、日々、室内犬のカテゴリーから遠く離れる一方のボク。今日も丸一日、お庭や公園で泥だらけになるぞ、と決めました。
タカコ・半沢・メロジー
寝る子は大きくなるって
- イタリア発着便の「?」 ここまで違うか、日伊のCA
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2016.06.03 Fridayイタリア発着便の「?」
ここまで違うか、日伊のCA
相も変わらず、頻繁な帰国が続いています。最低1か月に一回。そのためか、アリタリア航空のスタッフの方々から、「よくごいっしょしますね。覚えてますよ」と声をかけられることも少なくありません。
先日のフライトどきもそうでした。イタリア男性CAから、同じセリフ。驚いたことに、次回の帰国どきも、同日、同機でのフライトとわかりました。
この男性のプロ意識の高さがすごい! 他のCAの何倍も細やかにサーヴしまくってくれるのです。しかも、常に笑みをたたえ、好感度もバツグン! 自分の仕事に誇りをもち、楽しみながら働いている、と実感できます。
特筆すべきなのが、申しわけないほどの気づかい。小袋入りのおせんべいを開けて食べようとしたら、スピーディきわまりなく、小皿を持ってきてくれたのです。「この皿において食べなさい」のジェスチャーと共に!デリカシー欠如の私は、むしろア然としたものでした。
同じフライトに勤務していた日本女性CAは、みごとなほど対照的。「なにが楽しくて生きているの?」と言いたいほどの仏頂面での接客ぶりに徹してました。
アリタリアには、原田さん、小島さん、というすばらしい乗務員女性がいます。日系の航空会社CA以上の細やかな接客さと、完璧なイタリア語、そして英語にたけたコスモポリタンレディ。おまけに、イタリア人顔負けの明るく美しい笑顔に満ちています。その徹底したプロ意識にふれ、どれほど感動したことか!こういうスタッフに恵まれたアリタリアは幸運、と思っています。
それなのに、ああ、それなのに、の先だったの日本人CA。機敏に働かない、感じが悪い、の一語に尽き、呆れ果てました。それでも、サラリーは同じ額なのでしょう。なんだか、納得いかない。搭乗客の意見、反応も加えて最終サラリーを割り出すべきではないか。そんなふうにも感じざるをえません。
タカコ・半沢・メロジー